研究内容

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当教室では,予防医学及び環境医学に関する研究を中心に行っています。個々のテーマについて以下に示します。

環境とアレルギーに関する研究

汚染化学物質,花粉,家ダニなどの生活を取り巻く環境因子によるアレルギー性疾患(花粉症,喘息,アトピー性皮膚炎)の発生機序とその予防法に関する研究を,好酸球の活性化に伴う活性酸素種,活性窒素種などの産生と肥満細胞の脱顆粒を中心に行っている。

  1. ヒトの病態に近い喘息実験モデルを既に開発しており、その病態の一部 が一酸化窒素(NO)の不足による気管支拡張不全にあることを突き止め、その原因となっているアルギナーゼを制御することにより喘息の新しい予防・治療法の開発を目指している。  (文部科学省科学研究費 基盤B 研究代表者 荻野景規、H19-21)
  2. アトピー性皮膚炎発症マウスを用いた実験より、これまで一酸化窒素(NO)の低下による局所的血流障害を指摘している。最近、ヒスタミン以外の新しい掻痒性物質の分析を行っている。

アカタラセミアマウスを用いた研究

血液中や種々の臓器中カタラーゼ活性が低いマウスを本邦で唯一飼育している。このマウスの特徴は、酸化ストレスに弱く、発ガン性が高いことである。このマウスを用いて、新しい実験モデルと新しい酸化ストレスバイオマーカーを開発することを計画している。

職業性ストレスの健康への影響のメカニズムの解明と、その予防に関する研究

上記の職域調査を行っている。2009年には英国における大規模コホートで観察された職域での精神的ストレスとメタボリックシンドロームとの関係のメカニズムを明らかにした。現在feeling useful to othersの健康保護作用について検討している。

生活習慣病の発症を予測できるバイオマーカーの開発

動脈硬化や肥満は、低レベルの持続性炎症として認知されている。我々は、世界的に有名な炎症バイオマーカーであるhs-CRPと非常によく似た機能性蛋白質を新たに見いだした。この蛋白質の測定法を開発し、その予防医学的な評価を健康診断・疾病患者血清を用いて行っている。

幹細胞を用いた疾病の再生予防医学の確立

喘息の新しい機序として、アルギナーゼの発現による一酸化窒素(NO)の不足を発見し、新しい予防法を開発している。その応用として、喘息・動脈硬化等モデルマウスを使用し、幹細胞の導入による疾病予防法の確立を目指す。

大気中の蛋白質の生体影響

我々は、大陸から渡ってくる黄砂や大気中に一般的に存在する浮遊性粒子状物質(PM)に蛋白質が存在することを発見した。現在、その生体影響を国立環境研究所との共同研究で実施しており、今後新しい環境基準を策定する。